最近熱中症対策が法的に義務化されたという記事を新聞、ネットなどで頻繁にみうけられます。そもそも法的義務化とはどういうことなのでしょうか。わかりやすく以下に、「熱中症指数(WBGT)」「2025年の法令対応」「現場での具体策」「WBGTの測定方法」についてまとめてみました。現場担当者や安全衛生管理の担当者の方向けに、わかりやすく、かつ実践的な内容になりますので是非ご参考にしてください。 ✍️
☀️ 2025年、熱中症対策が法的義務に!知っておきたい熱中症指数(WBGT)と実践ガイド
こんにちは。本日は、2025年6月に施行された職場における熱中症対策の法令化についてお話しします。
気候変動の影響で日本の夏は年々過酷になっています。そんな中、私たちの「働く環境」も変革を求められているのをご存じでしょうか?
目次
🌡️ 「熱中症指数(WBGT)」とは?
ニュースや天気予報でも耳にする「熱中症指数(WBGT:湿球黒球温度)」は、気温だけではなく、湿度・日射・風通しなどを総合的に反映した“暑さの指標”です。
- 28℃以上:警戒レベル(注意が必要)
- 31℃以上:危険レベル(作業中止も検討)
この値をもとに、作業の計画や健康管理を行うことが推奨されています。
📜 2025年 法令対応のポイント
2025年6月1日、厚生労働省によって労働安全衛生規則が改正され、WBGT値が一定以上になる職場では熱中症対策が義務化されました。
✅ 対象となる条件
- WBGTが28℃以上、または気温が31℃以上
- 1時間以上、または1日4時間以上の連続作業
✅ 事業者に求められる対応
- 体調異変の早期発見体制の構築
- 申告体制の整備、報告ルールの明確化
- 重篤化を防ぐ措置
- 作業からの離脱、身体の冷却、救急体制の確保
- 情報周知
- 担当者、連絡経路、搬送先などを事前に共有
🛠️ 現場でできる!熱中症対策チェックリスト
🌳 作業環境の工夫
- 日陰の確保(テント、遮光ネット)
- ミストファンや冷風機の導入
- WBGT計の常設と掲示
💧 作業者への支援
- こまめな水分・塩分補給(タイマー活用)
- 作業中の休憩ルールの明確化
- 「体調が悪いときはすぐ報告」ができる職場文化
📚 教育と周知活動
- 朝礼での注意喚起
- ポスター・掲示による継続的な意識付け
- 多言語対応で外国人労働者にも配慮
🔍 WBGTの具体的な測定方法
「どうやってWBGTを測るの?」という声もよく聞かれます。ここではその方法を詳しくご紹介します。
📏 測定に使う3つの温度
測定項目 | 内容 |
---|---|
湿球温度 | 湿ったガーゼを巻いた温度計。蒸発による冷却の効果を反映。 |
黒球温度 | 黒く塗られた球状の温度計。日射や輻射熱の影響を計測。 |
乾球温度 | 通常の温度計で測る気温。 |
⚙️ WBGTの計算式
- 屋外(直射日光あり)
WBGT = 0.7 × 湿球温度 + 0.2 × 黒球温度 + 0.1 × 乾球温度
- 屋内または日陰
WBGT = 0.7 × 湿球温度 + 0.3 × 黒球温度
🛠 測定時の注意点
- 測定高さは地面から約1.1~1.5m(作業者の胸の高さ)
- 壁やエアコンなどの熱源から離す
- 測定は作業開始前と作業中に定期的に実施
🎯 最後に
熱中症は予防できる災害です。法令によって対応が「義務」となった今、職場環境の整備は経営リスクの管理とも言えるでしょう。
WBGTの正しい理解と測定、そして対策の実践こそが、従業員の命と健康を守る第一歩です。