夢の中で「変なこと」を普通に受け入れてしまうのは、脳の働きが現実とは少し違っているからなんです。これはとても面白い現象で、科学的にも心理的にもいくつかの理由があります。
🧠 脳の活動の変化
- 前頭前皮質の活動が低下している
現実世界で「これはおかしい」と判断するのは、主に前頭前皮質という脳の部分の働きによります。夢を見ているとき(特にレム睡眠中)はこの部分の活動が低下していて、論理的な思考や現実検証がうまく働きません。 - 感情を司る部分は活発
一方で、扁桃体など感情に関わる部分は活発に働いています。そのため、夢の中では論理よりも感情が優先され、奇妙な状況でも「なんとなく納得」してしまうのです。
🌀 現実検証のフィルターが外れている
- 夢の中では「現実かどうか」をチェックする機能が弱まる
夢の中で空を飛んだり、亡くなった人と話したりしても、「これは夢だ」と気づかないのは、現実と夢を区別するフィルターがオフになっているからです。 - 夢の論理は夢の中だけのルールで動いている
夢の中では、時間や空間、因果関係が現実とは違うルールで動いています。でもその世界の中では一貫性があるように感じられるため、違和感を覚えにくいのです。
🛌 なぜそれが面白いのか?
- 創造性の源泉
夢の中の奇妙な展開は、現実では思いつかないようなアイデアや発想を生み出すことがあります。アーティストや科学者が夢からインスピレーションを得ることもあります。 - 無意識の声
夢は無意識の思考や感情が表れる場でもあります。現実では抑えている感情や願望が、夢の中で自由に表現されることも。
夢の中で「変なこと」が普通に感じられるのは、ある意味で脳が“自由に遊んでいる”状態とも言えます。
ちなみに、夢の中で「これは夢だ」と気づく**明晰夢(ルシッドドリーム)**という現象もありますが、これはまた別の興味深い話です。