最近、一部のスーパーや小売店でQRコード決済を中止する動きが見られます。それと同時に自店カードでの決済を勧めているようです。なんとなく手数料の問題などは頭に浮かびますが実態はどうなのでしょうか?
調べてみると以下のような経営的・運用的な理由が複合的に絡んでいるようです。
目次
💸 1. 決済手数料の負担増
- 導入当初は無料だったQRコード決済の手数料が現在は2〜3%に上昇。
- この手数料は店舗側が負担するため、薄利多売のスーパーでは経営を圧迫。
- ある店舗では「手数料分を価格に還元したい」として、キャッシュレスをやめて全品1%割引に踏み切った例もあります。
🕒 2. 決済に時間がかかる
- QRコード決済は、アプリ起動→コード読み取り→金額確認→支払い確定…と操作が多く、現金やICカードより時間がかかる。
- 特に高齢者やスマホ操作に不慣れな方が多い地域では、レジの回転率が下がるという声も。
🧾 3. 運用コストとトラブル対応の負担
- 複数の決済アプリ(PayPay、楽天ペイ、d払いなど)に対応するには、管理やスタッフ教育の手間が増加。
- 通信障害やアプリ不具合時の顧客対応が煩雑になることも、導入見直しの理由です。
📉 4. 利用率の低下とインセンティブの減少
- 一時期はポイント還元などで利用が急増しましたが、キャンペーン終了後は利用率が鈍化。
- 「月に1〜2回以下しか使わない」という消費者も多く、導入コストに見合わないと判断する店舗も出てきています。
🏪 5. 現金派の根強い支持と地域性
- 日本では依然として現金派の消費者が一定数存在。
- 特に地方や高齢者層では「現金の方が安心・簡単」という声も多く、現金回帰の動きが一部で見られます。
こうした理由から、**「コスト削減+価格還元」や「レジ効率の改善」**を目的に、QRコード決済を見直す店舗が増えているのが現状です。
💳 電子マネー vs QRコード決済:どう違う?
項目 | 電子マネー(例:Suica、楽天Edy) | QRコード決済(例:PayPay、楽天ペイ) |
---|---|---|
決済方法 | ICカードやスマホをかざす | QRコードを読み取る/提示する |
通信方式 | 非接触型(NFC/FeliCa) | インターネット通信が必要 |
支払い形式 | プリペイド(前払い)またはポストペイ(後払い) | チャージ式、クレカ連携、後払いなど多様 |
決済スピード | 非常に速い(タッチで即決済) | やや遅い(アプリ操作が必要) |
対応店舗 | 主に交通機関・大手チェーン | 中小店舗や個人商店にも広がる |
導入コスト(店舗側) | 専用端末が必要で高め | スマホやタブレットで導入可能で低コスト |
セキュリティ | 高い(ICチップ内処理) | 通信環境に依存、アプリの安全性に左右される |
📌 まとめ:
- 電子マネーはスピードと安定性に優れ、交通系や都市部で強い
- QRコード決済は導入のしやすさとキャンペーンの多さが魅力
🔮 今後のキャッシュレス社会の展望(日本)
✅ 1. キャッシュレス比率はさらに上昇へ
- 2023年時点で**約39.3%**のキャッシュレス比率
- 政府は2025年までに40%達成、将来的には80%を目指すと明言
✅ 2. 多様化と統合が進む
- QRコード決済の乱立が課題 → 今後は共通規格や統合が進む見込み
- マイナンバーカード連携やデジタル給与支払いなど、行政との連携も加速
✅ 3. 高齢者・地方への普及がカギ
- 都市部では普及が進む一方、高齢者や地方では現金志向が根強い
- 操作の簡素化・サポート体制の強化が今後の課題
✅ 4. 新技術との融合
- 顔認証決済、音声決済、ウェアラブル端末など、次世代の決済手段が登場
- **CBDC(中央銀行デジタル通貨)**の議論も進行中
🧭 最後に:キャッシュレスの未来は「選べる自由」
キャッシュレス社会の理想は「現金を持たなくても安心して暮らせる世界」。
でもそれは、現金を排除することではなく、選択肢が広がることでもあります。
あなたのライフスタイルに合った決済手段を、これからも一緒に見つけていきましょう!