リヤカーマンとは、冒険家・永瀬忠志さんの愛称です。彼はなんと、リヤカーを引いて世界中を徒歩で旅してきた人物で、歩いた総距離は地球一周分を超える約47,000km。その旅のスタイルと精神が、多くの人々に感動を与えています。
🛒 リヤカーマンの歩み
- 出身地:島根県出雲市
- 初の冒険:19歳でリヤカーを引いて日本縦断(約3,200km)
- 代表的な旅:
- オーストラリア大陸横断(4,200km)
- アフリカ大陸縦断(6,700km)+サハラ砂漠縦断(11,100km)
- 南アメリカ大陸縦断(8,800km)
- アマゾン、アンデス山脈、タクラマカン砂漠なども徒歩で横断
🧰 リヤカー「田吾作号」
- 水・食料・寝具・衣類・修理道具などを積載し、総重量は200kg超え
- 歴代のリヤカーには「田吾作」「田吾作ジュニア」などの名前が付けられている
📚 著書とメディア出演
- 『リヤカーマン―地球一周4万キロを歩いた男』など多数の著書を出版
- TBS『クレイジージャーニー』出演時には、旅の映像が話題となりギャラクシー賞を受賞
🏫 現在の活動
- 大阪府立成城高校で非常勤講師として「ものづくり」を指導
- 生徒と共に自作リヤカーで伊勢神宮まで歩くイベントも開催
リヤカーマンこと永瀬忠志さんの旅は、単なる冒険ではなく「歩く哲学」とも言える壮大な人生の実験です。彼はリヤカーを引いて、世界30カ国以上・総距離約5万kmを歩き、地球一周以上の距離を踏破しました。以下に代表的な旅の詳細をまとめます。
目次
🌍 主なリヤカー旅の記録
年代 | 地域・ルート | 距離 | 特記事項 |
---|---|---|---|
1975年 | 日本縦断 | 約3,200km | 初のリヤカー旅 |
1978–79年 | オーストラリア横断 | 約4,200km | 砂漠地帯を含む過酷なルート |
1982–83年 | アフリカ縦断 | 約6,700km | リヤカー盗難に遭うも再挑戦 |
1989–90年 | サハラ砂漠縦断 | 約11,100km | 砂に板を敷きながら進む壮絶な旅 |
2003–04年 | 南米縦断 | 約8,800km | ジャングル・山岳地帯を踏破 |
2006年 | アマゾン横断 | 約900km | 南米横断の完結 |
2007年 | アンデス山脈・アタカマ砂漠横断 | 約975km | 標高5,000m越えに挑戦 |
2015年 | デスヴァレー縦断 | 約183km | 極限の暑さに挑む |
2019年 | 大阪〜ロシア(シベリア) | 約2,000km | シベリア抑留の記憶を辿る旅 |
🛠 リヤカー「田吾作」シリーズ
- 総重量200kg以上(食料・水・寝具・修理道具など)
- 初代「大左ェ門」以降は「田吾作」「田吾作ジュニア」など命名
- アルミ製・折りたたみ式で飛行機にも持ち込める
💬 リヤカーマンの哲学とエピソード
- 「先の見える旅は面白くない」
- サハラ砂漠では板を敷いて600kmを進む
- ジャングルではぬかるみにリヤカーが埋まり進めず
- 旅の終わりに飲むココアと満天の星空が「来てよかった」と思わせる瞬間
📚 著書・メディア出演
- 『リヤカーマン―地球一周4万キロを歩いた男』
- 『田吾作、アフリカを行く』
- 『絵本 リヤカーマンって知ってるかい?』
- TBS『クレイジージャーニー』出演(ギャラクシー賞受賞)
リヤカーマンこと永瀬忠志さんの哲学は、単なる冒険の枠を超え、「生き方」そのものに深く根ざしています。彼の言葉や行動には、現代社会への問いかけや、人間の本質への探求が込められています。
🧭 リヤカーマンの哲学の核心
1. 「先の見える旅は面白くない」
- これは永瀬さんの代表的な言葉であり、彼の旅の根本的な動機。
- 予測不能な状況こそが、自分を試し、世界と深く関わる機会になる。
- 人生も同じで、「予定調和」ではなく「未知」に身を投じることで、本当の意味で生きることができるという信念。
2. 身体を通して世界と対話する
- リヤカーを引いて歩くという行為は、効率やスピードを否定し、「身体性」を重視する哲学的実践。
- 足で地面を踏みしめ、風を感じ、汗を流すことで、土地や人々との関係性が深まる。
- これは「知識」ではなく「経験」を通じて世界を理解する姿勢。
3. 孤独と向き合う力
- 何千kmもの旅路を一人で歩く中で、孤独は避けられない。
- しかし永瀬さんはそれを「自分と向き合う時間」と捉え、内面の声に耳を傾ける。
- 孤独は恐れるものではなく、成長のための静かな対話の場。
4. 道具との共生:リヤカー「田吾作号」
- リヤカーは単なる荷物運搬ではなく、「相棒」として旅を支える存在。
- 自ら設計・改良し、旅の途中で修理しながら進むことで、「ものづくり」と「生きる力」が結びつく。
- 生徒と共にリヤカーを作り、伊勢神宮まで歩く教育活動にも哲学が反映されている。
5. 過去を振り返らない、常に前進する
- 自身の旅の映像をほとんど見返さず、「老後の楽しみに取ってある」と語る。
- これは「今を生きる」ことへの強い意志であり、過去の栄光に囚われず、常に新しい挑戦を求める姿勢。
✨ 哲学を体現する言葉と行動
- 「歩くことでしか見えない風景がある」
- 「旅は目的地ではなく、過程そのものが意味を持つ」
- 「リヤカーは重い。でも、その重さが自分を支えてくれる」